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"文学少女"と死にたがりの道化

文学少女と死にたがりの道化

「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだったが…。物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化け”の嘆きと絶望の物語だった―。野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、ミステリアス学園コメディ、開幕。



おもしろいらしいと聞いたので買ってみました。シリーズ全部読み終えた感想としては、今年読んだ本の中では一番。これまでに読んだ本の中でもトップクラスのおもしろさだった(゚д゚)
本作を読み終えた後、すぐにシリーズ全部買ってきて貪るように読みましたw読んで良かったと思える作品です。
表紙のかわいさとラノベということで完全に油断してました。中身は深いです。孤独と絶望と救いが交錯する物語です。
ジャンルはミステリーということになっているけれども、ちょっと違うかも。どちらかというとヒューマンドラマですかね。

文学少女シリーズは全8巻(7エピソード)で構成されており、各エピソードには元ネタとなる文学作品が登場し、その作品と作者の人生がストーリーに深く関わってきます。
例えばこの「"文学少女"と死にたがりの道化」は太宰治と「人間失格」がストーリーに大きく関わっています。

作中では様々な文学作品が様々な視点で解釈されていて、それを元に状況を読み解き、事件から真実の物語を見つける、という展開になっています。
元ネタになる文学作品以外にも様々な作品が登場し、遠子先輩はその作品を「味覚」で表現します。これが非常に新鮮でした。その作品をつい読みたくなります。
文学というと小難しいイメージがあるかもしれませんが遠子先輩の解釈は非常に分かりやすく読みやすいので安心です。

また、読者にはヒントとして誰が書いたのかわからない手紙が随所で提示されます。この手紙が誰から誰に宛てたものであるのか、考えながら読み進めるのがとてもおもしろい。
一度読み終わった後に、もう一度この手紙を読み直すと様々な発見があります。

後半の、事件の真相を暴き真実の物語を照らしていく展開はものすごく疾走感があり、また予想外の展開に驚かされ、先が気になって仕方なくなります。
読後のすっきり感と、それでいて胸がつまるような余韻が残るのもよかった。

唯一気になったのは主人公がヘタレすぎるところかなあ。(シリーズ全部読んだらそれもアリだと言えるんですけどね)
あと、人によってはキャラ設定が少々あざといと感じるかも(天然、ロリ、ツンデレ、女王様)。
文学が好きな人はもちろん、そうでない人にもぜひとも読んでもらいたい作品ですね。
以下、ネタバレ感想。読んでいない人は絶対に見ないようにw

周囲の人々の気持ちに自分だけが共感できないとき、仮面をかぶり共感している振りをする、というのは誰しも少なからずあることです。僕らは共感できないこともある、ということを共感できればいいのです。

しかし親友の死にすら悲しむことができない自分に恐怖を感じ、恥じている、という人を理解するのは難しいかもしれない。

やはり、そんなに簡単に人は変われないようです。自分はこれからも道化の仮面をつけ、世間を欺いてゆくでしょう。けれど、そのことが、前より恥ずかしくはないのです。


竹田さんは自分の闇を知る心葉や遠子先輩と触れたことでこれから変わっていけるのでしょうか。
少なくとも2人の手を握り返したときの竹田さんは感情を持ってましたね。
と、同時に彼女の罪の象徴でもあったマグカップが割れる=感情が解放されるという演出がよかったです。

もしこの先、自分の道化を見破る人が現れたら、自分は、『ええ、そのとおりよ。よくわかったわね』と、胸をそらして笑ってみせるつもりです。
しいちゃんのような人に、もし出会えたら、その人にはけして嘘はつかないでしょう。


僕はすでにシリーズ全部読み終わっているので、改めて読むとこの一文は深いものを感じますね。


とりあえず、遠子先輩のキャラが好きすぎる。遠子先輩の語る物語は優しさに溢れている。
説得は無茶苦茶だけど優しさに溢れている。現実的に、こんな説得されても意味がわからないけどこの作品の中だとなぜかアリだと思えてしまうところがすごい。
「太宰治全集を100回読むまでは死んではダメ」とかw
遠子先輩の挙げる文学作品を片っ端から読みたくなりました。

人間失格は大学生の時に読んだことがありました。
走れメロスは高校の現国の教科書でしか読んだことがありません。
『メロス、君は、まっぱだかじゃないか』という台詞は確かになかったように思います。

葉桜と魔笛、雪の夜の話、皮膚と心、ろまん燈籠、女生徒、恥、グッド・バイ、おしゃれ童子、如是我聞、畜犬談、貨幣、お伽草紙、黄金風景は読んだことがありません…

斜陽は大学生のときに読みました。何かの本で「美しい日本語を知りたければ斜陽を読め」とあって、それがきっかけで。でも内容はもうあまり覚えていません…
斜陽はよく滅びの美学と言われますが華族の女性が立ちションするところくらいしか覚えが…

comment

Secret

No title

ほほう、太宰とな。
オススメというならちと読んでみようかな。

オススメ

太宰以外にもいろいろ出てきて、この作品を読んでいるといろいろ読みたくなってくる。
自分ではそれなりの読書家だと思ってたけど、シリーズ全体を通して読んだことがある本は2割くらいしかなかった…

1巻はまだ助走という感じがするけどシリーズ後半は涙なしでは読めませぬ。
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